瀑松庭~ばくしょうてい~
- seisiyouen
- 6月13日
- 読了時間: 2分
先日、研修として今治にある瀑松庭 庭園を見学してきました。

瀑松庭(ばくしょうてい)は、愛媛県今治市のランドマークである今治国際ホテルの1階・地下1階に広がる本格的な日本庭園です。この庭園は、現代の名庭師として知られる枡野俊明(ますの しゅんみょう)氏と、京都の由緒ある庭師の家系である第16代 佐野藤右衛門(さの とうえもん)氏によって設計されました。施工は、熟練の造園技術を持つ中根庭園研究所によって行われ、卓越した技と美意識により完成したものです。
瀑松庭は、「松」と「滝」を主題とした構成で、庭全体が瀬戸内海の風景を象徴的に表現しています。白砂の枯山水には花崗岩の「島々」が配され、さらに樹齢350年を超えるクロマツが主木として据えられ、静謐な風格を漂わせています。また、地上から地下へと落ちる立体的な滝の構成が大きな特徴で、上層はホテルのロビーラウンジから、滝壺は地下1階の中華料理店「龍宮」から眺めることができる設計となっています。

四季折々の自然の変化を楽しめるよう植栽も工夫されており、春の桜や秋の紅葉が訪れる人々を魅了します。
瀑松庭は、単なるホテルの付帯施設ではなく、「都市型ホテルにおける庭園空間の理想形」とも言える完成度を誇っており、その芸術性と設計思想は国内外の庭園ファンからも高く評価されています。
写真ではなかなか表現できていませんが、正真木としてのクロマツの存在感とそれを引き立てる全体のバランスが素晴らしかったと思います。近年はこのような大規模な庭園の作庭はかなり減ってしまっているようですが、剪定などの維持管理だけでも関わってみたいと思えるような見事な庭園でした。
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